誰かを愛するのではなく、愛する人を愛するというチャレンジ

誰かを愛するのではなく、愛する人を愛するという、本当のチャレンジに。

 

 

 

その腕の中で眠った、初めての夜だった。

それは、柔らかくて、優しくて、思っていたよりもうんと大きくて、温かかった。

わたしは静かに泣いて、彼は、自分の腕に涙が伝ったことに気づいて、わたしの頬に触れた。何度か指でその涙を拭って、何度か「まい」とわたしの名を呼んで、それ以上は何も言わなかった。

ユウ君の隣にわたしが居るということや、その腕の中にわたしが居るということは、なんだかもうとっくの昔から続いていたことのようで、2人とも何も驚かなかったし、そこは静かだった。

まるで1人で穏やかに眠るときのように、誰もいないみたいに

吐息も、温度も、何もかもが自分の一部のようで

なのに、まるっきり全部を包み込んでしまうような、大きなまん丸の愛の中に2人で手を繋いですっぽり入ったようだった。

いつもの情熱や、あっけらかんとした愛のやり取りや、胸打つようなトキメキや喧嘩したときの激しい憤りはどこにも見当たらなくて、

その初めて一緒に眠る夜がこんなにもふつうで穏やかで、

わたしには、それが、ただ嬉しかった。

 


 

 

残り2985文字
<6月にユウ君に5年越しに会って、初めて一晩一緒に眠った日のこと>

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