「唄え」虹-空-月-星-風

 

 

2016-10-14

 

息子は2歳

こうして、

唄を唄うことを覚える。

 

 

虹色の橋
ふにゃふにゃとした

可愛い声が奏でる不完全な一曲が終わるまで

ぎゅっと

小さな手を握る。

 

 

 

境目のない虹色の

 

その声が、柔らかさが

 

わたしの中の愛を

狂ったように撹拌する。

 

 

 

それは溢れて涙として地上に落ちる。

 

 

 

 

月は一度も

欠けたことはなく

 

いつも

必ず

そこにいる。

 

 

 

わたしよりひとまわり近く年上の

そのひとと同じように

 

 

優しくて穏やかな、澄んだ声で

ていねいに

想いを紡ぐそのひとの声を聴いたとき
あと50年経っても

きっとこの人はこんな声で

 

愛を囁き続けるのだろうと

いつか

想像して、

 

 

わたしは晴れやかな空の上から

 

真っ逆さまに

恋に落ちた。

 

 

 

 

そのひとが、

唄を口ずさむ。
いつもの穏やかな

淡々とした様子で

 

唄を口ずさむ姿を見て

 

 

 

星空からキラキラ光の粒が流れて

そのシャワーを浴びるように
わたしは幸せの谷にまたも突き落とされて

這い上がれなくなる。

 

 
唄を唄う

そのシンプルな、

 

ひとの声が奏でるちいさな

メロディが
ただ

唄を唄う

それだけが
どれくらい人を幸福に陥れるか

見くびってはいけないよ。

 
なんでもない

ちいさなことの連続が
全てを繋ぎ

 

 

ひとつの風となって

 

 

この世のありとあらゆる悲しみを

吹き飛ばすだろう

 

 

 

 

その風に尋ねるといい。
答えはいつも

一番目の前にしか
自分の中にしか
転がってはいない。

 

 

 

 

唄おう。

気の向くままに。
誰かをそうしてあなたは、

泣かせるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

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