失うものは最初からない

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Dancer / Takagi Masakatsu

 

 

寂しさは、 ふたりでいるときにほどくっきりと際立つ。

七夕の夜、new yorkは雨だった。

 

目の前で「こんなに近くにいるのに?」と

 

抱きしめられる度に

寂しさにくるまれて

 

繋がれば繋がるほどに

ふかく沈んでゆく。

 

(2009年7月10日の記録より)

 


 

自分の中に、

すでに存在していない

感覚がたくさんある。

 

わたしは

長らく「感傷」を失ったら

自分のアイデンティティは

そこで失われるのではないかと

そう思っていた。

 

 

 

ところが、変化した自分の中には

安定した穏やかな幸福感が芽生え、

 

そして同時に

 

何一つ失ったものは

ないと感じる。

 

 

 

わたしたちは

どんどん変容をとげていくが、

 

忘れたくない大切な自分の一部を

消さなければいけないわけじゃない

 

 

すべては、

 

膨大な記憶の倉庫に

 

大切に、大切に

 

ストックされてゆく。

 

 

 

だから

変わって、

 

何かを失ってしまうのではないかと

 

怯えているのであれば、

 

 

心配しなくていい。

 

 

 

 

 

 

 

わたしは、その、

 

「ふたりでいるほど際立つ寂しさ」

が完全に抜けた今でも、

 

 

 

その記憶をこうして、

 

楽しみ、慈しみ、

愛おしんでいる。

 

 

 

 

 

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