振り切って、走る

振り切りながら

駆け抜けながら

横目を通り過ぎるすべてに

ゴメン

 

そう想いながら、走る

 

いつか昔苛まれた

あの陰湿な、罪悪感とは違う

 

ただたくさんの人を、振り回してきたなという自覚と

そうするしか当時、やりかたがわからなくて

必死で生きようとしていたことも

 

理解されずに、苦しんで

振り切るしかなかったことも

 

 

 

がんばればがんばるほど

必死で進めば進むほど

孤独になったいつかのわたしに

同じく

振り切りながら

駆け抜けながら

 

ゴメンと並走する、パートナーができた。

 

 

「まいちゃんについていける人は、居ないと思いなさい。」

 

先生にそう言われていつか絶望した日が、懐かしいほどに

むしろ自分が、ついていけるのに必死なくらい速い、ユキちゃん

 

鋭く、頭が良く、本質を見ていて、なおまだ伸び続けようとする

わたしを動かす司令塔

 

 

この数ヶ月、ぴたり並走し、彼女が前へ出ては手を引き、わたしが前へ出ては手を引き、また手を引かれ、手を引き、

二人「決めた」ことだけに

脇目もふらずにまっしぐらに進んだ。

 

そうしてわたしたちが昨晩

 

祝杯をあげた場所は

とても

 

明るかった。

 

なんて、眩しいんだろうと

この先の未来に希望しか見えなくなるみたいに光に包まれて

過去の全てが溶けていくみたいな

 

あんなにも神々しかった日は

これまで生きてきて、あったかな

 

そんなふうに思った日

 

大好きな人と手を取り合って、何かに向い、ときに戦い、迷い、何度も何度も失敗し、何度も何度も涙した。

 

嬉しくて、本当に眠れなくて

朝まで部屋を

ずっと

ただずっとウロウロしてた。

 

 

 

何かを得たわけじゃない

何かが約束されたわけじゃない

 

ただ同じ場所目指して走り、走り、

振り切りながら

駆け抜けながら

横目を通り過ぎるすべてに

ゴメン

 

そう想いながら、走った結果だった。

 

 

 

朝、ユキちゃんから

「昨日の夜、あんなにもハイファイブがいい香りだと感じたのは初めてなくらいに、響いた」と

”祝福”

の香りへのコメントをもらって

 

 

嬉しい時も

悔しい時も

悲しい時も

 

こんなふうに分かち合えるものなんだと

また、嬉しくなった

 

わたしたち決して2人きりじゃない。

これから、きっと、もっと

振り切るだけじゃない

駆け抜けるだけじゃない

方法を、わたしたちは、身につけていくんだ。

 

 

ただ今は

こんなふうに、何も考えずに全力で走ってそれが許されることが、嬉しいんだよ。

転げても

何が起こっても

 

誰も、そばに居なかった

 

じゃなくて

側に、ユキちゃんがいる。

 

 


山下は、ユキちゃんに

「なんで、マイにそこまでするんですか」

 

そう訊いたそうだ。

 

ユキちゃんがなんて答えたか、忘れちゃった。

ただ二人が喫茶店で、エビドリアを食べながら、話をしている姿を想像しただけで、ずっと向こうの空の果てまで、永遠に澄み渡っていく気がした。

 

ハイファイブの原画は、今マリアの手元にある。

遠くに祝福を分かち合うみたいに。

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