田村正和ときどき昼寝のち南十字星

アッパーウェストの119丁目にあるモーニングサイドハイツのアパートの2階で暮らしていたころ、わたしの毎日の予定は前の旦那さんのルティーンに揃っていた。

彼の日課は朝ごはんにバナナとパンと卵を同じ時間に食べて、本を貪り読んで、20分の昼寝をして、また本を貪り読んで時々マイちゃんと喧嘩して仲直りするという生活だったのだけど、

全然関係ないわたしも、毎日同じ時間にクロゼットから布団をひっぱりだして、その短い昼寝をする旦那さんのその日課が好きで、毎日その時間に横でくっついて眠った。

「ボクは、意味があって眠るけど、なんでマイちゃんまで寝るの」

とよく言っていた気がする。

 

わたしは、昼寝が好きなのだ。

 

毎日、毎日同じことが繰り返されるのが、とても好きだし、その限られた短い時間で意識を失うトレーニングみたいなのが人生でとても大事な気がする。

わたしは小さなころからとにかくよく眠る人間だった。

学校の朝礼の時も眠ったり、体育でドッチボールをしてる時も眠ったし、先生が授業を繰り広げてる目の前の席でも眠り続け、学校が終わってクラスに誰もいなくなってもそこで眠った。

よくそんな状況で寝れるよね、とふてぶてしさに関心されたり、たいした度胸だわと呆れられたり、「豊田は何回起こして起きるか」と実験台にされて記録更新をしたり、

何をされても起きない、で有名だったと思う。

 

 

昨日は眠りが浅かったので、短い昼寝をした。

身体は重くて、ちょっと嫌な夢をみた。

このしばらくの間に山ほど過去に見送った案件の中の、ひとつだった。

 

いつも大体、大きな山を越えてひと段落着くと、本当に、ごそっと大きなスペースを感じる時がやってくる。そこは空っぽで、真っ白で、最初のうち少し怖くて、そのあと

「次は何が来るかなあ〜?」とワクワクするようになる。

 

ものごとを1個づつしか処理できないわたしには、きちんと1つ、終わると次がくるというように采配されていて、大抵1個片付くととびっきりのサプライズが待ち受けていたり、予想もしない方向から嬉しいニュースが飛び込んだり、初めての仕事の依頼をもらったりしてきた。

 

昨日、わくわくしながら

次は何かな。と

しごとのことを思い描いていた翌朝、田村正和さんが死んでたニュースを知って

短い昼寝が明けて

とびとびの記憶を頼りに紐を結び

次なる山が、早速浮かび上がってきた気がした。

 

”なにかを手放すと、そのあと必ずもっといいものが、やってくる”

 

 

次は、この山を登ります。

そう自分に静かに約束をする。

 

その瞬間ばかりは、誰とか、世界とか、愛する人とか、

そういう全てのものから離れた場所で

誰にも言わぬ、誓いを立てるみたいな。

 

 

かっこいい田村正和さんがこの世からいなくなったことが、

わたしに次なる道標

 

ショップのコンセプトの一個でもある

真っ暗な海を照らす航海の座標になる、南十字星みたいに

そちら目指して進む位置を与えた。

 

 

「そっかあ、そうだよねえ。」

 

私たちの旅は、鎧を脱いで終わりじゃない。

荷物を降ろして終わりじゃない。

 

そこからが、始まりなんだ。

目指すのは、いつも頂上(自分にとっての)だよねえ・・・。💦

 

 

 

きょうの約束が果たされる日には
確実に覚えてないので、きろく。

小学校になった息子といろんな話ができるようになって、本当に嬉しい最近。

いつかマンハッタンにも連れて行ってあげたい。

 

 

 

 

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