おふろみたいな声

いつも、いつも

そういえばずっと、いつも

わたしが窮地に立たされて

ほんとうにもうだめだ、と思ったときに

彼は、いつも

手を差し伸べてくれてた

 

はじめて会ったときから

なにも、知らないうちから

絶対に裏切ることなく、わたしを信じ

愛してくれた人

 

 

都合よく、助けを求めるのではなくて

彼が今日もどこかで生きていてくれることが支えで

私もまた、きっとそういう存在だったと思う

 

わたしがどんなひとで、どんなふうで、

なにに向かって生きてるかがわかるのは

 

きっと彼も

同じように、生きているから

 

だから説明しなくても

いつも、届くのだと思った。

 

 

ずっと変わらない、優しい声

いつぶりかに聞いて、心細いわたしの質問に、ちゃんと答えてくれた

 

弁護士の仕事をとおして

世界の喧嘩という喧嘩の仲裁に入りながら

人の薄汚いところを毎日見ながら

そして、正義や本当の愛や、優しさや

なにが正解なのかをきっと

ずっと、真剣に考えてきたんだろうと思う

わたしの尊敬する人

 

 

泣きじゃくりながらわたしはこう言ってた

 

「やさしいひとは、ずるいひとに、いろんなものを、持っていかれるでしょ?

これでもかっていうくらに、たくさんのことを、

譲って、譲って、それでも譲って

こころが貧しいひとに、豊かな方は、たくさんの愛を譲って、それはお金のことだけじゃなくて、目に見えないものたくさんそうし続けてきたから

今回も、それでいいんじゃないかなって思ったけど、それでも、本当によくわからなくて・・・」

 

 

わたしが彼の好きなところは、出会った頃からそうだったけれど、だれにでもわかる、とても優しい言葉で

わたしにも理解できる、とても平たい言葉で

ちゃんとわかるように、してくれるところ

 

トップクラスの、優秀な人間の出入りする場所できっと

とてもむずかしい話し方ができるのに

わたしには、一度だって

わからない話をしたことがない。

 

 

「だから、大丈夫だよ。」

 

柔らかく、含みのある、低い、いい匂いのお風呂みたいに

暖かい声

 

 

その”大丈夫”がある限り

わたしは、どこへいってもこの先も一生

守られているような気がした。

 

 

「いつもありがとう、xxxさん」

 

そういうわたしに

 

「こちらこそ」

 

と言って、また飛行機に乗ってとんでいく

 

 

 

「まい、ゆっくりでいいよ」

 

わたしの、とても辛かった時期もずっとそばで見守ってくれてきてなお

必要なことばをかけてくれる

 

 

「うん、ゆっくり、やってみるね」

 

 

 

今日は、なんて優しい日になったことだろうと思った。

 

誰かの真の愛は、魂の奥底の芯まで響いて

こんなにも、わたしを自由にする

 

生まれてきて

たったひとりでもそんな特別なひとに巡り会えたことが、わたしのなによりのたからものだよ。

 

 

 

彼が電話をくれた雨の空港は、きっと

わたしが感じてるのとおなじくらい、優しいと思う

 

ここは、力強く、晴れてる

 

 

 

 

 

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