西陽

 

あの日、後部座席に4人

走る、車の、開いた窓からは、西から光が差していて

風が吹いていて

チラチラと、その光が、凪のまつげや瞳や、髪の毛に触れて動いた。

最初自分と似ていてちょっとイヤだった凪のことを、どうしてユキちゃんが溺愛するのかがわからなくて、そんなに可愛いか?と思っていた。

 

車の中で、目の前20センチの距離で、西陽と春の風が私たちを吹いて

凪のその瞳はうるうると、きらきらと、ぱちぱちと何かを見ていて

ああなんて、美しい存在がここにいるんだろうとそう思った。

 

わたしの左には、大好きなツーがぴたり座っていて

わたしの膝の上には、膝の上に座るにはとってもおおきな体のタオくんがいた。

 

ここは天国で、数日間世界から遮断されてから戻ってきた家は、子供たちは、それはそれは暖かかった。

 

わたしたちはたくさん泣いて、たくさん本当のことを話して、

愛でいるだけじゃなくて

愛を持ってるだけじゃなくて

愛の使い方を練習する。

 

左と目の前と右に、大好きな3人が座っていて

後ろの4人が安心して笑っていられるよう

ユキちゃんが前で運転していて、

わたしは泣きながら、幸せだ、とその日思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。