終わらせる覚悟が、始まり②

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終わらせる覚悟が、始まり①

 

間も無く、ある朝英会話にやってきた山下は

清々しい顔をして、

「離婚届を書いた」と言いました。
(参考記事) できないことは潔く捨てる

 

わたしは、その頃にはもう、

「セラピストとしての自分」が
「ひとりの女子としての自分」に飲み込まれる体験を
度々していました。

 

感情はすぐさま反応するし、

「嬉しい」「ドキドキ」をしっかり味わいつつ、

 

「離婚するのは構わんけど、
それで何かが解決したと思い込むなよ」

 

「環境を変えても、自分のなかにある感情が
クリアにならない限り
お前は4回でも5回でも離婚し続けるからな」

 

としつこい程に言いました。

本当に、しつこい程に言いました。

 

 

「離婚するより前に、
自分のなかの感情を感じろ」

 

 

それは全て、わたしが自分へ向けて発していた言葉でした。

 

「この男とつきあったところで、
結局幸せになんかなれない。
過去の自分がそうだったように
自分を大切にできていないひとが、
相手を幸せにできるわけがないのだから」

 

わたしは、離婚したところで
いまの状態の山下じゃ、

 

なにひとつ意味はない

 

そう、一生懸命自分に釘を刺していたのです。

 

 

 

最初に彼が、
わたしのことを好きだと言ったその日、

 

 

わたしは内心本当に嬉しかったのとは裏腹に、
ありったけの勇気をふりしぼり、
主からの声を尊重ました。
怖かったです。
好きな男に、
初めて、わたしは嫌われる覚悟で本音で接することを
しました

 

 

「いまのあなたでは
わたしの全てを受け止められるだけの器はない。」

 

 

 

 

山下は、

「おれもそう思う。」

と言いました。

 

 

 

山下は、

 

何もわかっていませんでした。

 

 

「感じる」がわからないその男は、

わたしの言っていることが「思考」レベルでは理解できましたが、
「腑に落とす」ということが決してできていなかったのです。

 

 

 

 

そして、わたしはすでに、
ダメダメセラピストでした。

 

 

なんどもなんども仕組みを説明し、
「感情を感じる」とはこういうことと説明し、
実際山下が重たい気分になった時に
誘導して「感じきる」ワークを行いました。

 

 

なんとか自分ができる限りをして
彼を引っ張り上げて、

 

そして離婚したら正式に

 

このひととつきあいたい、と
思うようになっていました。

 

 

 

 

「男は、育てるもの」というフレーズが

ずっと頭のなかに
鳴り響いていました。

 

男の器は、女次第。

 

 

 

 

 

山下は毎回毎回わたしにお金を払い、
ほとんどあまり変わっていないように見えました。
わたしは自分がどんどん変化し、上昇しているなかで
全力を尽くしても
決して同じペースでは進めない山下に対し

焦りを感じていました。

 

 

自分の無力感や
女として、彼を「上げられない」自分を
少しだけ責めはじめていました。

 

 

 

山下よりも、自分。

大事なのは、彼ではなく、自分。

 

 

毎日呪文のように唱えながら、
彼にではなく、
ひたすら自分に意識を集中させました。

 

 

わたしは、完全にセラピストに依存している
変わる気のない、その典型型クライアントに対し

 

 

いよいよ、「このままではいけない」と
思うようになりました。

 

 

 

わたしは、彼のことが

 

好きでした。

 

 

でもそこには、幾層にも重なった
感情があって、

 

「しくじり続けていた過去の自分」と
いまの山下を重ねあわせて
「過去の自分自身」を一生懸命救おうとしている
自分のエゴや、

 

「寂しい自分」を彼と話すことで一時的に満たし
その「寂しさ」という胸キュンの

恋に似た感覚を味わうことにのめり込んでいることや

 

弱い自分は、「ひとりになりたくない」
「このままそばにいてほしい」「早く離婚しろ!」
と駄々をこねているのもはっきりわかっていました。

 

わたしの主(魂)は、

 

「こんなところで立ち止まってる場合じゃないし、
その男に足をひっぱられてる場合じゃない。

どんどん追い風が吹いているこの時に、
時間を無駄にしないで。

一刻も早く見切りをつけろ」

 

とはっきりした意志を示していました。

 

 

 

わたしは、その声とは裏腹に、
山下のことがどんどん好きになっている自分を
止めることができず、

 

もう、その「好き」が一体どこから発せられる感覚なのかわからなくて、
そしてそれを無理やり押さえつけてまで
生き急ぐ必要があるのか

とか

 

本当によくわからなくなって
次第に苦しくなっていったころ

 

 

そんな折に彼が離婚届を書いたはいいが、
アレコレ理由をつけてことごとく逃げられ
なかなか事が進まない状況がやってきます

 

 

わたしは、それが
彼が「完全に他人軸」で生きているがゆえの
展開だとクリスタルクリアーにわかりましたし、

そのままそれを説明しましたが、

 

「自分軸」「他人軸」の意味すらよくわかっていない

 

こじれまくりの段階にいる山下は
思い通りにいかない”状況”にイラついていました。

 

 

そしてその時が、
冷静なセラピストとしての自分を超えて
はじめて「女」としての「本音」が
そのまま先走ったときです。

 

 

 

わたしは、先ほど書いたように、

最初からしつこいほどに

 

「全ての現象は自分の中にあるものが
作り出している」

 

と説明してきました。

 

 

「思うように進まない状況」は、山下の潜在意識が
「離婚」を拒否しているのかもしれないし、
それはわからないけれど
とにかくまずは「自分」の中に残っている「怖れ」や
なにが思いとどまらせているのかを見ることから始まる

 

「離婚」をするかしないかが重要なのではなく、

その奥にある、自分の本当の本音にまず、
目をむけること

 

 

わたしは、お金を受け取っている限り、
プロとして絶対にひるまずに言葉を発し続けました。

 

 

 

もう、限界でした。

 

女のわたしは、

 

 

「なにこのダメ男、わたしのこと好きとか言って
ちっとも白黒つけずにグダグダ言い訳だけで、
かっこ悪いだけだし
いい加減バカにすんなよ!!!

 

としか思えていなかったからです。

 

 

そして、その主の声は、
それをそのまま、わたしに向かって

 

 

「そんな下らない男にうつつを抜かしてる
あんた自身が、自分をバカにしてんだよ。

 

と、言っていました。

 

 

わたしは、自分のことを「大事」にすることと
並列して「セラピストとして」
迷えるクライアントを導くことを

同時にはできませんでした。

 

 

そしてついに、

 

「お前の人生がどうなろうと、どうでもいい。

わたしはわたしにしか興味がないし、

お前の今後が幸せであろうが不幸のどん底であろうが、

本当にどうでもいい。

もう、二度と来ないでください。」

 

の旨を文字通り言い捨て、

参考記事 しくじりイケメンからの封筒 2015-11-24

 

 

そそくさと帰った山下をあとに

さめざめ泣きました。

 

 

 

わたしは、「自分を尊重」するために

「好きな男」を手放す決意をしたのです。

 

 

ずるずる会い続けることはできたと思います。

 

 

彼は、魂の声が聞こえない「感じない」
リハビリ中の段階でしたから、それに限っては「頭悪すぎるコイツ・・」 そのものでしたが、

 

思考という名の「頭の回転の速さ」はわたしを
いつでも満足させましたし、
会話は途切れることなく面白く、ユーモアは絶妙で笑いは絶えません。

 

顔だけでなく、しっかり走り込んでメンテされた身体は
眺めているだけで心地がいいものでした。

 

日本人にしては珍しいほど仕草や身のこなしは様になる男でしたし、

毎回持ってくる手土産は、趣味のいいものばかり。

 

嫌味がなく、やりすぎることもなく、

さらりと花を買ってくることもできる、
女にモテる典型的な男。

 

普通のサラリーマンよりも断然収入は高く、
なおかつちゃんと自分の好きな業界で、
向上心を持ちながら仕事に打ち込み、評価されている山下。

 

運動神経はよく、スポーツが好きで、英語もそこそこ使え、
こんなに文武両道で外見までバランスのとれた男・・・・

 

山下・・・・

ここまで書いてなんだが、

残念すぎる・・・・

 

しくじりまくりのこじれまくりの
感じない他人軸男、泉から姿消す。

 

その前に、やっぱり思考バリバリでしか
山下のことを見ていなかった自分に、

オエオエが、止まりません。

 

 


 

 

 

 

 

「好きな男」を「自分」より優先させてきた
しくじりまくってきた過去

 

わたしは、
決して男の人から「大切に」されませんでした。

 

「男を育てる」どころか、「下げまくって」最後には
ふられるか自分が無理になって別れるかどちらかの結末。

 

 

いまの山下と全く同じです。

表面的には、いい女(男)なのに、

絶対に、どう転んでも、うまくいかないのです。

 

 

そしてわたしは、自分の人生を歩むことを始めました。

 

 

だから、もう、「好き」とか「恋愛」に対しても、

絶対に自分に嘘はつけない。

 

それがたとえ一時的なものだとしても、
一寸先には別れがやってきたとしても、

 

「いま、抱き合いたい」

 

はただ、本物だから。

 

わたしは、

 

一切の「思考」を止めて、
その瞬間瞬間したいように動きました。

 

頭では、
いやいや、離婚するまでくらい待とうよ。
あんたも大人なんだからそのくらいの理性あるでしょ

と当然のように考えましたが、

 

 

 

「会いたい」と思ったから

「会いたいから来て」と言いましたし、

「好きだ」と思ったから

「好き」だと言いました。

 

 

山下は流され、
わたしは流され、

 

 

決着のつかぬまま、時間はすぎるばかり。

 

 

ひとそれぞれのペースがあって、
「離婚」を決めてから実際にそれが形になるまで
数年かかる人だっていることでしょう。

 

 

それ自体が悪いわけではないのもわかっています。

 

でも、

わたしは、

ただ、

 

その時に、いまこの瞬間に、

 

彼と抱き合いたかったのです。

 

 

それだけだったのです。

 

 

③へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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